【(推定)日本一小さい食パンに学ぶ!】ビジネス戦略 @365日 
推しごと講座

こんにちは、推しごと調査隊のひろりんです。

 

コスパ、タイパといった言葉がもてはやされる昨今「だいたいこんなモンだろう」を超えた時、良くも悪くも驚きや感動などの感情が記憶として深く刻まれるものです。こうした記憶は、あらゆるものであふれた世界において、ビジネスヒントになるかもしれません。

 

今日はそうした視点から、とあるパン屋さんの食パンをご紹介したいと思います。

 

1.食パンってナニ?

皆さんは食パンと聞くとどのようなパンを思い浮かべるだろうか。

食パンには山食、角食という2種類の製法=焼き上がりの形がある。ご想像の通り、焼き上げる際に蓋をするかしないかで出来上がりの形が変わる。一般的に、山食は蓋をせずに焼き上げるため膨らむ分、気泡が大きくなり生地がふんわりと仕上がる。逆に蓋をして焼き上げる角食は水分の蒸発が最小限に抑えられ、しっとりとした仕上がりになる。

次に食パンの正式名称についてはご存知だろうか。

答えは、単純明快。主食用のパンで食パンである。しかし、食パンと呼ばれるようになった由来は諸説あり、大筋は日本にパン文化が広がる際に「海外では米ではなくパンが主食」という認知により、主食用のパンを略して食パンとなったとされている。他にも、第二次世界大戦以前に生まれたパン職人は、イギリス系の山型の白いパンを「本食」と呼び、西洋料理の“もと”となる食べ物の意味を込めて本食パンとした説、画材道具の消しパンと区別するため、酵母(イースト)により膨らんでできた穴を酵母が食べた跡と見立てた説などがある。

では、食パンの数え方はどうだろうか。

たいていの人が1斤、2斤のように「斤」という単位を挙げるだろう。日本では食パン以外に聞き馴染みのない単位「斤」。実は中国をルーツとした単位で、日本の尺貫法における質量の単位、匁(もんめ)に当てはめると1匁=3.75gであることから、食パン1斤は160匁、おおよそ600gを指していたらしい。ところが、明治維新以降、アメリカやイギリスから食パンが輸入されるようになり、その食パン1袋の重量がおおよそ1ポンド=約450gだったことから、これを1斤とする数え方として定着していったのである。

 

そして現在。公正競争規約により食パン1斤は340g以上と決められている。なぜなら、パンは材料や製造環境次第で重さ、大きさともにばらつきが出てしまうから。「あいまいだな」なんていう声がもれてしまいそうだが、あいまいだからこそ最低重量を保証しているそうだ。

 

しかし、日本には「1斤」に限らず「1本」「1つ」という用途の広い数え方、数詞がある。食パンを販売するにあたり「斤」で統一せよといった法律はない。つまり、食パンが主食に足りうるサイズ、量感であるという考えは、一度疑ってしかるべきなのである。

 

2.代々木八幡の人気のパン屋 365日の食パン

去る3月。編集部一行は小田急線代々木八幡駅の踏切に居た。今日、ご紹介するお店は東京メトロ千代田線代々木公園駅からも近くアクセス抜群の立地。ただし、家々が立ち並ぶ小路におしゃれ過ぎる外観で、雑貨類のディスプレイも多く、パン屋さんと気づかず通り過ぎてしまいそうだ。

出入口の正面に、食パンが数種類とバゲットが並んでいる。

「365日」の食パンは3種。北海道産小麦とバター、牛乳で作るほんのり甘い「北海道×食ぱん」。福岡県産小麦と生クリームを使ったハードトースト系の「福岡×食ぱん」。そして、それぞれの小麦粉を半々でブレンドした良いとこ取りのスタンダードな「365日×食ぱん」。中でも、今日のお目当ては、写真左上部の角食「365日×食ぱん」。

 

お値段は1本税込み346円(2024.3時点)。

 

さすがに、グラム数やサイズは聞けず。カットしてもらったので、袋のまま失礼します。

パンの前に、紙袋が可愛くない?女子ウケ、間違いなし。

 

食パンは、全長14cm縦横6cm×5cmで手のひらサイズといったところ。「カットするなら6枚切りがおすすめですね」とのことで、そうするともう指先サイズになっていた。

 

これはもう、言わずにはいられない…。

「小っさー!」

 

これ1枚、いや、ひと口ざっと60円の食パン。私の平凡な人生において、パンひと口の値段を考える日が来るとは思わなかった。

でも、なんやかんやと言いながら、ふわっと甘さが広がって食感も絶妙でウマい。そして、パンの耳が得意じゃない人でもサクッと食べられる耳の薄さが良い。後味まで美味しい食パンという感じ。

お店のブログの言葉をそのまま借りると

『まず一つ言えるのは、食ぱんの中でもバリエーションをもたせたくて、あえて水にした。実は365日は、使う水にもこだわっているんだよね。北海道にある協働学舎の水がおいしくて、それを真似た水を使っている。二足歩行coffee roastersで使っているような、ミネラル等も除去するろ過装置だと、実はパンがおいしく焼けない。パンを美味しく焼くための水をろ過装置で作って、それを使っているんだ。そんなパン屋さんはなかなかないんじゃないかな。そういうところにもこだわっているというのをも知ってもらいたいね。』

【素材のはなし】国産小麦より

 

ということで、牛乳も生クリームも使ってなくて、こんなに甘味を感じるなんて不思議!

 

ちなみに、オーナーの杉窪氏はフランスで修行を積んだパティシエ出身ということで、全体的におやつパンは他店のそれら以上にお菓子に近い見た目。

奇をてらったフォルムのパンは、昨今のSNS映えを見据えた戦略を感じる。

こちらのお店のパンは、おしなべて小さめなのだが「多種多様なパンを、その日のうちに食べきれるように」との思いが込められているらしい。

なるほど。でも、ほら「食べ物は美味しいが1番」だからそれでいいと思わない?

ドライトマト、クリームチーズ、ツナの組み合わせが最高なサンドイッチ。お野菜は契約農家のとみずく農園さんから仕入れているそう。

「100%=ソンプルサン」はフランス語で100%の意味。こちらはやや大きめのパン(笑)

北海道産の小麦粉「穂香(ほのか)」を使い、小麦粉と同僚の水で作ったパンは驚くほどモチモチ食感!

自家製のハムとベシャメルソースにグリュイエールチーズを掛けて焼き上げたクロックムッシュはオープンサンドタイプでちょっと珍しいかも?

そんなこんなで、結局、食パン以外のパンも楽しんだ私たちでした。

 

3.総評

さて、今日ご紹介したパンは前評判の通り「こんなモンだろう」を超える食パンでした。期待を裏切らないサイズ感に驚いた私たちもパンそのものの味わいは本物で、さすが全国のお店をプロデュースする革新的なパン職人のお店という印象を持ちました。

ビジネスの最前線で生きる皆さんにおかれましては「たぶんこうだろう」という“当たり前”や“普通”を疑う視点を、ビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか?

今回ご紹介したお店の情報はこちらから。

365日

通販サイト

https://ultraec.jp/

 

 住所

150-0063

東京都渋谷区富ケ谷1-2-8

定休日

なし

営業時間

7:00〜19:00

アクセス

小田急線 代々木八幡駅 南口から徒歩1分

千代田線 代々木公園駅 1番出口から徒歩40秒

JR渋谷駅から阿佐ケ谷駅前行きバス、富ヶ谷下車

電話番号

03-6804-7357

以上、【(推定)日本一小さい食パンに学ぶビジネスのキホン!~当たり前を疑え~】と題して渋谷区にあるパン屋365日にお邪魔しました。こうしたコンセプチュアルなお店が好みの方にはぜひ、お店に足を運んでいただきたいと思います。

こんな記事、読んでないで #仕事しろ
推しごと講座はまた、次回。お楽しみに!

おしまい