【料理初心者がポテトサラダを作ってみたら】
はたらくお父さんシリーズ

2024年。
男女同権が叫ばれる令和の社会に、突如、積極的に家事に向き合おうとする男が現れた
その名も、鍋林。
何を隠そう、我が編集部の編集長である。
彼は普段、家事全般を妻に任せ、家にはただ帰るだけ、古式ゆかしい昭和スタイルの夫らしい。
だが…
女性の社会進出が当たり前となった今、男性だけが外で働き、女性だけが家を守るといった昭和の価値観はとうに過去のもの。女性が社会に進出するならば、男性も家庭へ進出する必要があるのではと編集長自らが、まずは料理にチャレンジすることに!
これから始まるストーリーは、普段、家事は妻に任せきりな編集長が、妻に代わって台所へ進出してみたというもの。

━果たして、上げ膳据え膳な生活にどっぷり漬かり切った彼が作る料理とは?

「はたらくお父さん CASE3ポテトサラダ作りに挑戦する!」スタート!

 

1.仕込み

今日、作る料理はポテトサラダ!

初回のカレー、2回目の餃子と、私が 実は、ちょっと器用である ことを読者の皆さんに知ってほしくて孤軍奮闘してきたのだが、正直に言えば読者の皆さんの期待値が上がっていやしないかと、なかなか第3回に踏み切れずにいた。

さらに「そんな、気まぐれに料理されても、こっちにも都合っ…(以下、割愛)…」と妻のお叱りを受け、おまけに、気まぐれクック愛用のそこそこ高級な包丁まで購入し心底呆れられた結果、すっかりキッチンから足が遠のいてしまっていた。

そんなある日、息子が「今日の夜ご飯、ポテサラがいいなー」と言い出した。

妻は出張につき不在。マヨラーの私もポテサラは大好きな料理なので、デパ地下の惣菜売り場へ駆け込もうとしたところ「じゃがいもは、男爵いも希望」「ハムじゃなくてソーセージの方が食感良くない?」「卵が入ったのがおいしかった」と詳細なリクエストを申し述べてきた。

「おまえ、グルメかよ!」

ググってみると、ポテサラは(じゃがいもにマヨネーズ+塩コショウ)をベースに好きな具材を混ぜ合わせてカスタマイズする料理のようだ。じゃがいもは、初回のカレー作りの際に案外、火の通りが良い食材だと学習済み。

…ということは、小一時間もあればできそうな上に、妻がいれば「あなたは、ダイエット中だからポテサラじゃなくて“粉ふきいも”でいいわよね?」と別メニューを据えられる危険性もない。

惣菜売り場を通り過ぎ、必要な食材を買いそろえると、その足で息子をサッカーの練習に送り出した。目的が決まれば全力投球するのみ。今日は、マヨネーズたっぷりのポテサラを作ろう!

 

材料

・じゃがいも 中3つ

・きゅうり 2本

・卵 4つ

・ソーセージ 4本

・塩コショウ 適量

・マヨネーズ たっぷり

 

「あ…!写真が撮れないんだーッ」

今日はいつもカメラマンをしてくれる息子がおらず、料理も撮影もひとりぼっち…。

 

故に、じゃがいもは、もうとっくに全ての工程を終え、鍋の中で、ととのい中だ。

以降も、撮り漏れがあるかもしれないがご了承いただければと思う。

 

 

2.調理開始

今日の目標は、練習場に送り出した息子を迎えに行くまでの1時間以内にポテサラを完成させること。

仕事も料理も段取りが大事!

ということで、レシピをチェックした際『じゃがいもは粗熱を取っておく』というワードを視認した私は、帰宅後すぐにじゃがいもを湯がき、マッシュして改めて料理に取り掛かろうとしていた。急ぐあまり、フライングして撮影しそびれてしまったことは編集者として反省したい。

じゃがいもの粗熱を取っている間にきゅうりの仕込みを進める。

きゅうりは、維管束を通る液に存在するギ酸という、渋み成分が集中したツル側の頭をカットしてこすり合わせることで、あく抜きができる。

さらにスライスして、塩もみをすると水分と青臭さが抜け、味を染み込ませたい料理にもピッタリ。

…なんて知ったかぶっているが、幼少期、きゅうりがあまり好きではなかった私たち兄妹のために、母がおまじないでもかけているのかと、つい最近まで勘違いしていた。

塩もみを済ませ、フライパンを使う調理に入る。

 

まずは、ソーセージを適当に輪切りにする。

ちなみに、ソーセージとウインナーの違いについては丸大食品サンによると

 

ソーセージは、ひき肉に調味などをして、腸などのケーシングに詰めたものの総称です。ウインナーは、正式名称がウインナーソーセージで、ソーセージの内の一種であり、羊の腸や直径20mm未満のケーシングに詰めて、加熱したものです。ソーセージには他にもフランクフルトソーセージやボロニアソーセージなどいろいろな種類があります。

 

とのこと。

「あれ。ってことは、君たち正確にはウインナーなのね」

1本長いままのウインナーソーセージは、私の晩酌のお供として火を通し、お皿に移して粗熱を取る。

 

続いて、卵に塩と砂糖で下味をつけスクランブルエッグの準備に取り掛かる。

ウインナーソーセージから出た油で卵を炒める。

「どうせ、混ぜ合わせるので潰れちゃうし、塊のままでいっかー!」

半熟の部分も残し、熱が冷めたら具材の準備は完了。

 

テーブルの端でチルっていた、じゃがいもを召喚すると粗熱はとれ、ほんのり温かい状態に。

ここから、諸々の具材たちを混ぜ合わせていく。

 

ところで、じゃがいものマッシュ具合は餡でいうところの、つぶ餡派と、こし餡派と同様の区分けになるのだろうか?

もちろん、私は、つぶ餡派!!というか、細かいことは気にしない(笑)

たまごをクラッシュしつつ、塩もみして水分を切ったきゅうりも投入。

混ぜ合わせたら、味付けー!

塩コショウを、たっぷりと。

マヨネーズは「これでもかー」というほどぶっかけよう!!

お皿に移動させたことで忘れかけていたウインナーソーセージも混ぜ合わせて…

マヨネーズたっぷり☆禁断のポテトサラダの完成!!

時間にして50分(じゃがいもの仕込みを入れるとちょうど1時間ほど)。目標タイム通りに料理を終え、ケータイを確認する。息子からの連絡は…?

まだない!大成功だ!!

 

3.完成

息子のリクエストに挑んだ第3回、ポテサラ編。

初心者の私が撮影をしながら料理に挑んだにしては、ミスもロスもなく時間通りに完成させられた今日は、主婦の皆さんには「甘い」と言われそうだが、個人的には満点をつけてもいい出来となった。

また、今回は難しい工程もなく、ポンコツ親子のすったもんだもなく、読み物としてつまらぬ回となってしまったかもしれないが、個人的には擦ったり揉んだり潰したり、食材との掛け合いは楽しめたように思う。

そう、私は少しずつ料理を楽しいと感じるようになっている。

次は、どんな料理を作ろうかなー!

そうして、サッカーの練習を終え帰宅した息子を意気揚々とキッチンに呼び寄せる。

 

「腹減ったろう!今日のポテサラは、マジで自信作だから。さっとシャワー浴びて、ご飯にしような」

 

すると、ポテサラが入った鍋を見つめたままうつむく息子から、衝撃の一言が返ってきた。

 

「ごめんね、父。ボクが食べたかったの、ゆで卵のポテトサラダだったの」

おしまい