【手打蕎麦ふじや】で、ざるそばの歴史を辿ったら、意外なお店に辿り着いた話
こんにちは、推しごと調査隊のひろりんです。
暑い夏が過ぎそうで過ぎない今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私たち編集部はこの夏、カレーとそばにハマっていました。
「夏のそばは犬も喰わぬ」と言われた時代はとうに過ぎ、今や夏バテ中のビジネスマンの昼飯候補NO.1と言っても過言ではない、そば。
今日は、そばの種類や歴史に触れつつ、西新宿のそば屋さんをご紹介したいと思います。残暑を乗り切りましょう~!!
1.「ざるそば」と「もりそば」と「せいろそば」の違いとは?
江戸時代中期まで “つけ麺”スタイルだった、そば。1660年代、江戸にそば屋が登場した頃は、そば切りを汁につけて食べる「つけそば」が主流だった。
そもそも、奈良時代以前に中国大陸から伝来してきたそばは、雑穀として粥(かゆ)にするか、そば粉を練って茹でたそばがきとして食べていたらしい。元禄時代になり、無精者がそばに汁をかけて食べ始めたことがきっかけで「ぶっかけそば」=「かけそば」ができ、その汁に浸ったそばと区別すべく、旧来の皿に盛ったそば(汁につけながら食べる、つけ麺スタイルのそば)を「もりそば」というようになった。
では「ざるそば」はというと、東京・深川洲崎にあった伊勢屋で、皿やせいろではなく、竹ざるに盛ったそばを供していたことが、江戸の名物そばとして書物に紹介されているそうだ。そばのコシを楽しみたい者にとって、水が切れる ざるそばが世間的に認知されるようになったのはありがたい。
ちなみに「ざるそば」の方が上質なそば粉を使っており、ちょっと高級な「ざるそば」に対して、庶民派の「もりそば」という位置づけだったという説や「ざるそば」には一番出汁を、「もりそば」には二番出汁を使い、みりんを入れコクが深く甘味のある、ざる汁(つけ汁)が作られていたという説がある。
他にも、明治以降「もりそば」と「ざるそば」を区別するために、当時高級だった海苔を「ざるそば」の上にのせるようになったことから、海苔がかかったそばを「ざるそば」と呼ぶようになったという話もあるようだ。
最後に、皆さん気になっていたであろう「せいろそば」は、その名の通りせいろに盛られたそばのこと。せいろは、もち米や饅頭などを蒸すための道具で、木の枠の底にすのこを敷いたもの。江戸時代末期、そばの値上げに伴い、量を減らしても見た目が変わらないよう上げ底ができる、せいろを用いたそばが「せいろそば」と呼ばれるようになったという説や、江戸時代まで、そばといえば十割そばで、茹でると麺が切れやすかったため、せいろで蒸してそのまま提供されていたという説がある。
非常に話が長くなってしまった。
もし、また蕎麦屋さんレビューをする機会があれば、その際に「そば湯」について語れたらと思う。
2.手打蕎麦ふじや
東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩2分。新宿のオフィス街からは、警視庁新宿警察署を目印に出かけてみよう。お店は、青梅街道に面したビルの1階に、さほど目立たぬ感じで佇んでいる。
この日は、私たちの前に2名のお客さんがいて、
店内は広くはないが、テーブル席とカウンター席、奥に1室やや広めの個室がある。
落ち着いた雰囲気にホッと一息つく一同。午前中、会議やパソコン仕事で心身ともに疲労してしまった私たちに癒しを提供してくれる。そんな中でも店員さんたちがキビキビ&せっせと料理を提供してくれ、時間がかかる日もあろうが、お昼時、忙しいビジネスマンにとって回転が良いお店はうれしい。
今回の蕎麦の産地は、山形県尾花沢市の最上早生という品種。
お店の情報によれば、摩周そば等、契約農家から仕入れた純国産の蕎麦を、ミシュランビブグルマンの都内有名店にて修業した四代目店主自ら、特注の石臼で製粉、機械を使わず手作業で蕎麦打ちしたお蕎麦がいただけるとのことで期待が高まる。
今回、注文したのはラスト1つと言われた「手打ち蕎麦御膳 とろろご飯と手打ち蕎麦」と「蕎麦屋の牛カレー丼と手打ち蕎麦」。人気メニュー秘伝の胡麻だれをベースにしたラー油入りのピリ辛特製つけだれの「胡麻つけ肉蕎麦」は残念ながら完売していた。
さっそく運ばれてきた「手打ち蕎麦御膳 とろろご飯と手打ち蕎麦」がこちら。
食いしん坊の編集長は大盛りをオーダー。写真だとわかりづらいが、たっぷりと麺が盛られている。とろろご飯が気になって仕方ないが、まずは蕎麦から…。
「ううむ!蕎麦の香りがイイね!!」
つゆは、鰹出汁が効いていて、薬味を入れても負けないパンチ力。程よい弾力のある麺とつゆが絡み合って、諸々がベストマッチ。
とろろご飯には、うずらの卵と青のり。
その黄身…。
崩す?
崩さない?
崩……
すぅー!
しかも、ここだけ食べるぅー!!!
贅沢な食べ方をする編集長。
「黄身がないところはないところでウマいじゃん?」だそうです。
しばらくして「蕎麦屋の牛カレー丼と手打ち蕎麦」がやってきた。
蕎麦から食べるのがセオリーな気がするけど、蕎麦屋さんのカレーって美味しいんだよねぇ…。
我慢できん、カレーから食べちゃえ!
「くぅ、染みるぜ…。お出汁が染みるのだよ!!」
やっぱりカレーは、ウマい。和風出汁のカレー、みんなも時々食べたくならない?
さて、スタンダードに美味しく蕎麦をいただいたところで、残りは味変しながらいただきましょう。
まずは、わさび。
そんなにツンとしないわさび。香りはイマイチ。さすがに擦り立てってわけにもいかないよね。
続いて、原了郭 の黒七味。創業1685年、香煎から始まり、看板商品の黒七味や、各種スパイス、白だしなどを製造販売している京都の老舗。
※念のため、ご存知ない方のためにこちらから通販でも購入できるので、ぜひ!
材料をから煎りし、丁寧に揉み込むことで独特の濃い茶色となります。
手間をかけることでしっとりとした、当店だけの七味が生み出されます。
豊かな香りと奥深い味わい、そして唐辛子のピリッとした辛さが和洋中何にでもお使いいただけます。
写真と説明はお店のHPより
唐辛子の辛さというより、山椒が苦手な方にはおすすめしない食べ方だが、お好きな方はこのぐらいしっかりつけて、つゆの甘さや出汁の香りとマリアージュを楽しむと良さそう!
いやー、蕎麦も、とろろ丼も、カレーも美味しかったなー。冬は温かい「かけそば」やってほしい。また、美味しい蕎麦が食べたくなったら仕事の合間を縫ってランチしに来ましょうね^^
3.「ざるそば」の歴史を辿ったら…
今日、お邪魔した「手打蕎麦ふじや」さんは、口コミによるとお昼は行列ができていることが多いようなので、少し落ち着いた時間やディナーのタイミングを見計らうと良いかもしれない。
最後に、今回のトピックスについて触れよう。
「ざるそば」を提供し始めたとされる東京・深川洲崎にあった伊勢屋さん。なんとこちら、私たち編集部が大好きな和菓子屋さんであることが判明!他の企画記事【顔探し選手権】で何度も取り上げてきたお店だったのだ。
編集部お気に入りのお店が、まさか「ざるそば」発祥のお店とつながるとは…。うれしさのあまり、つい記事にしてしまった蕎麦。今後、蕎麦を口にする度に私たちは深川伊勢屋さんを思い出すことだろう。
今回ご紹介したお店の情報はこちらから。
手打蕎麦ふじや
住所
160-0023
東京都新宿区西新宿7丁目21-3 西新宿大京ビル 1階
定休日
日曜、祝日、土曜日隔週
営業時間
11:30〜売り切れまで(14時前後)
17:30〜21:00L.O.
アクセス
東京メトロ西新宿駅から徒歩2分
電話番号
03-5937-4414
以上【ざるそばの歴史を辿ったら、意外なお店に辿り着いた話】と題して西新宿にある蕎麦屋さんにお邪魔しました。界隈のビジネスマンの皆さんも、そうじゃない皆さんもぜひ、お店に足を運んでいただければと思います。
こんな記事、読んでないで #仕事しろ
推しごと講座はまた、次回。お楽しみに!
おしまい