タイパ・コスパ・ウェルパ最悪!なのに行列ができる「しかたらむかな」へ行ってみた
推しごと講座
こんにちは、推しごと調査隊のひろりんです。
皆さんは、行列には並ぶ派・並ばない派、どちらですか?
例えば、並ばない派でも「並ぶ時間が勿体ない=タイパが悪い」と一刀両断するタイプから「誰かと一緒に並ぶなら大丈夫」「並んでも手に入れたいものは例外」など条件がある人もいるかもしれませんね。
かく言う私たちは断固として「タイパ・コスパ・ウェルパ」が良いモノを求めるタイプ!
そんな、編集部の元に、予約もなかなか取れない上に、平日でも行列ができるパン屋があるとの情報が…!!
日頃は、仕事詰めの編集部が「貴重な休日を潰してでも行く価値はある」と太鼓判を押した、個性的なパン屋さんをご紹介したいと思います。
1.タイパ・コスパの次はウェルパ!?
コスパ(cost performance)は、費用対効果。タイパ(time performance)は時間対効果。あれ…。ウェルパって、何だっけ?
まずは、あまり聞きなれないこの言葉から解説しよう。
ウェルパを英語表記するとWell-being performanceとなることからわかるように、ウェルパは、Well(よい)とBeing(状態)を合わせた言葉。意味としては、心身ともに満たされた状態を効率的かつ合理的に目指すこと、幸福度に対する効果を表す。ちなみに3大要素として「身体的充実」「精神的充実」「社会的充実」があげられる。
ちなみにウェルビーイングは、ビジネスシーンでも用いられる概念で、例えば、ウェルビーイング経営を実践している積水ハウスでは「従業員が幸せに働くことで、高いパフォーマンスを発揮し、コミュニケーションが活性化しイノベーションが生まれやすくなる」という考えに基づき「幸せ健康経営」を推進している。2020年には全従業員を対象に「幸せ度調査」を実施し、一人ひとりが自分と職場の「幸せ」を見える化。さらに「幸せ健康チャレンジ6」と称して心身の健康づくりに関する6つの目標を定め、課題を達成するためのサポートも行っている。他にも楽天などの大手企業がウェルビーイング経営を実践している。
さて。
やや小難しいことを述べてきたが、ここからはお待ちかねのパン屋紹介に入る。ただし、タイトルにもあるよう「タイパ・コスパ・ウェルパ」ともに最悪であることを念押ししておく。
否。
読後の感想は、ビジネスマンの皆さんの各々の価値観に委ねたいと思う。
2.「しかたらむかな」in神楽坂
アナグラムのようなタイトルで、さらにいぶかしがられている気がするが、こちられっきとした店舗名で「しかたらむかな」さん。お察しのとおり(?)、中村隆志(なかむらたかし)シェフが作るベーカリー。
元は、和歌山で「3ft(サンエフティ)」というパン屋を営んでいたところ、2020年「中村食糧」として、東京でも有数のカフェ激戦区、清澄白河に進出し話題に。さらに2023年「しかたらむかな」と改名し、神楽坂に移転されたようだ。
それにしても、パン屋とは思えない外観に驚愕の一同。
「こんなところにパン屋さんがあるなんて、わからなさそう…」と心配したのも束の間。
真夏の炎天下に、これだけ人が並ぶとは…!午後のオープン前30分の段階でこんな感じに。
「マジかー!」
こちら、10:30~13:00は予約来店限定となっており、13:00から予約なしで入店できる模様。ただし、来店予約といってもその予約すら取りづらいほどの人気店なのだッ(汗)
ジリジリと照り付ける日差しに耐えながら、ようやく13時を回り、1組ずつ店内へ誘導される。
地下に店舗があるため外から店内が見えず、尚のことワクワク~と言いたいところだが、こちとら“並ばない派”やぞ!!そんな私がパンを買うために30分も並ぶなんて、人生初だし、金輪際ないと断言する。
救われたのは、ルンルン気分で入店を待ちわびる友人が隣にいたこと。「せっかく東京に来たんだし、東京らしいことしてる気になるー!」そうだ。パンが大好きな友人がいて良かった。
ようやく、店員さんに呼びかけられ、階段を降りると……
「…………え。(パン屋さんって、こんなだった…すかね?!)」
どこぞのギャラリーのような外観、炎天下の行列に続き、本日3度目の驚き。
そこには“並ぶ派”とか“並ばない派”とかいう、些末なことを話題にする輩に有無を言わせない空間が待ち受けていた。
銀色の円盤に、販売中のパンがオブジェのようにディスプレイされている。
「これ、食べられるの?」と思わず呟いてしまうほど、まさにパンのギャラリー、異世界にいざなわれてしまった。この演出を守るために入店人数を制限しているのではなかろうか。お店の人も丁寧に接客してくれる。
こうして、震える手で数種類のパンを購入し、店舗を後にすると行列はさらに伸びていたのであった。
さて、一苦労してゲットしたお店の代表ともいえるパンがこちら!
果汁が染みに染み込んだビビッドな赤いパン。その名も「いちご」(842円)。パイン、白ぶどう、赤ぶどうがたっぷり詰まっている。
大きさは、女性の手のひら(縦横17×8cm)に収まるぐらいのサイズ感。しかし、最もインパクトがあったのはその重さだ。
写真は“自称、か弱い女性”の左手が悲鳴をあげそうになっている画。そのぐらい、ずっしりと重みを感じる。
切り分けてみると、表面だけでなく全方位にジューシーな果実がびっしり。そりゃ、重いはずだ…。
味わいは、もうパンを食べているというより、果物の集合体なのか、ケーキなのか…を食べている感覚。パンにふかふかや、モチモチを求める人には向かないかもしれないが、じゅわっとパンと果肉が溶けていく食感を味わい人にはおすすめしたい逸品である。
続いて、我々が最も感動したパン。
お角1/2(405円)
こちらも、やや重みがある。持ち帰る間に、上下左右にちょっと潰れてしまったがパンの耳がやや硬めでどうにか四角いフォルムは保たれている。
カットし食べてみると、耳はカラメルのような甘い香ばしさがあり、たいへん美味。
さらに、最近、スタンダードになりつつある高加水パンは、尋常ならざるムチムチ感!こんなに大きな気泡があるのに、簡単に千切れそうで千切れない……。さすが、加水率110%という常識を超えたパン。
噛めば、生地の弾力を感じ、小麦の甘さと、微量ヨーグルトを感じさせる風味、鼻に抜ける耳の苦味が何とも言えないマリアージュ。
“並ばない派”として「二度と並ぶものか!」とコメントするつもりだった私。
「しかたらむかなサンの食パンは、並ぶ価値ある!!!!」
※ただし、一緒に並んでくれる人がいる時に限る
他にも、塩味ナッツ(788円)
こちらは、チーズとひまわりの種、4種のナッツが入ったパン。
胡椒強めのフレーバーでお酒のつまみにもなりそうな一品。果物が入っていない分「いちご」より、パンそのものの美味しさを楽しめる。
続いて、ぶるーベリべいぐる(432円)
こちらは、ベーグルらしいモチモチ感があり、ベーグル好きにはたまらない食感。ブルーベリーの味に負けず劣らず、ほんのりヨーグルトのような風味がする。
生地を発酵させるのに使う自家製酵母は、主に、レーズン種、ヨーグルト種、麹で作る酒種、ルヴァン種ということで、こちらにもヨーグルトの酵母が使われているのかもしれない。
いやー、お値段はするけど、パンを食べてこんなに感心するとは思わなかったなあ。
そんなこんなで、最後にもう一度言わせてもらおう。
「しかたらむかなサンの食パンは、並ぶ価値ある!!!!」
※ただし、一緒に並んでくれる人がいる時に限る
3.総評
今回、お届けした「しかたらむかな」サン。行列に並ぶ時間や価格を考えるとタイパ・コスパ・ウェルパともに良いとはいえない感想を持った。しかし“並ばない派”を豪語する、私たちにとって、こちらの高加水パンとの出会いには感動があった。さらに、来店予約をすれば待たずにパンを購入することができるらしい。
自らの行動次第で捉え方も変わる。
皆さんと同じビジネスマンとしては、さまざまな考えを巡らすにふさわしい機会をもらったことに、まずは感謝したいと思う。
今回ご紹介したお店の情報はこちらから。
住所
162-0827
東京都新宿区若宮町13-1 Kif Annex, 101
定休日
火、水曜日
営業時間
10:30-13:00(予約来店限定)
13:00-(予約なしで購入可/売り切れ次第終了)
アクセス
大江戸線牛込神楽坂駅から徒歩6分
JR飯田橋駅から徒歩6分
インスタグラム
https://www.instagram.com/3ft.nakamura.official/
以上、【タイパ・コスパ・ウェルパ最悪!なのに行列ができる「しかたらむかな」へ行ってみた!】と題して、神楽坂に潜むパン屋さんにお邪魔しました。ここにしかいパンが食べてみたい人、高加水パン好きにはとっておきのお店。ぜひ、足を運んでいただきたいと思います。
こんな記事、読んでないで #仕事しろ
推しごと講座はまた、次回。お楽しみに!
おしまい