寿司と鰻。そうだ熊本へ行こう1
熊本って聞いて、最初に何を思い浮かべるか問題。
馬刺し?くまモン?阿蘇?
まあ全部正解なんだけど、今回の旅で一番強烈だったのはそこじゃなかった。
結論から言うと、
熊本は「食の一点突破力」が異常に高い。
しかも、派手な観光地でジャーン!じゃなくて、
「分かってる人が足繁く通ってる名店」で殴ってくるタイプ。
今回の熊本旅で立ち寄ったのはこの2軒。
・天草の「奴寿司」
・川尻の「若松屋」(鰻)

料理評論家に「日本で3本の指に入るといわしめた」奴寿司
熊本市内から天草方面へ向かうと、景色が一気に変わる。
建物が減って、海と山の比率が急上昇。
「あ、観光地来ました」っていうより、「生活の中に海あるな」って感じ。
この空気感がもう良い。
変に作られてないし、肩に力が入らない。
で、今回の目的地のひとつ目。
天草の名店、「奴寿司」。

まず最初に言っておくと、奴寿司は「軽く寿司食べよ〜」みたいなテンションで行く店じゃない。
ここは、大将のお寿司を楽しみに行くお寿司屋さん。
天草で寿司の話になると、ほぼ確実に名前が挙がるのが奴寿司。
正直、場所だけ見ると「ここまで来て寿司?」って一瞬思う。でもその考え、食べ終わる頃にはきれいに消えてる。
この店、観光ついでにふらっと入る寿司屋じゃない。
最初から「ここを目指して来る」前提の店。
カウンター中心の落ち着いた空間で、握りは基本お任せ。
選択肢を与えない代わりに、今いちばん良いものを出すというスタンスが最初からはっきりしている。

出てくる寿司は、派手さよりも静かな強さがある。
地元の海で揚がった魚が中心で、名前を聞いてもピンとこないネタも多い。でも食べると納得する。「あ、これは大将が握ってくれないと成立しないやつだ」
鮮度が良いのはもちろんだけど、それ以上に仕事が丁寧。ネタとシャリのバランスが良くて、一貫ごとにちゃんと意味がある。

価格だけ見ると、安いとは言えない。
でも食べ終わった後に残るのは「高かったな」じゃなくて、「ちゃんと食べたな」という感覚。
満腹というより、満足。
この違いが分かると、旅先で選ぶ店の基準がちょっと変わる。

天草という土地柄、アクセスは正直良くない。
それでも「また来たい」と思わせる力がある。
寿司そのものの完成度はもちろんだけど、ここで食べたという体験ごと記憶に残るからだと思う。
奴寿司は、天草の魚のポテンシャルを静かに叩きつけてくる店。
派手な看板もいらないし、過剰な説明もない。
ただ、ちゃんとした寿司が出てくる。
天草に行く理由を一つ増やすには、十分すぎる存在感。
ここは「寿司を食べた」じゃなくて、「天草を食べた」と言いたくなる店だった。
季節を変えて、また来店したい。レビューお楽しみに。
若松屋(七代目 若松屋)、さすが七代続くだけのことはある名店
次に向かったのは、熊本市南区・川尻。
観光地感は正直ほぼない。
でもここに、目的地がある。
めちゃくちゃ雰囲気ある佇まい。老舗の鰻屋、「若松屋」。
席について、鰻が出てくるまでの時間。
この時点で、もう空気がうまい。

で、出てきた鰻重。
見た目は王道。
でも蓋を開けた瞬間の香りで、幸せになる。
焼きは香ばしくて、身はふっくら。
タレは甘すぎず、重すぎず。
鰻の脂とちゃんとバランスを取ってくるタイプ。

「わざわざ川尻まで来てよかった〜!」
川尻は城下町の雰囲気がまだ残っていて、和菓子店が立ち並び古くからの酒蔵もある。
町の空気、店の佇まい、鰻の味。
全部セットで記憶に残る。
観光地で食べる鰻じゃなくて、
「この町で続いてきた鰻」。
これもまた、派手さはないけど強い。
熊本、正直ナメてた!
天草の奴寿司、川尻の若松屋
共通してるのは、「流行らせようとしてないのに、結果的に評価されてる」ところ。
熊本、こういう店が普通に存在してるのが強い。
派手な旅じゃない。
でも、ちゃんと記憶に残る旅。
次に熊本行く人がいたら、
「観光もいいけど、まず飯で殴られてきて」って言いたい。
